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『自治体立病院の経営状況』A |
日本政策投資銀行
政策企画部次長兼課長
吉田秀一 氏 |
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今回は、個別病院の経営状況について触れたい。
個別の地方公営企業病院の経営状況については、自治体立病院の経営改善で著名な武弘道先生の考え方に倣い、医業活動に要する費用である医業費用を、医業活動で得た収入である医業収益から普通会計等からの内部補填である他会計繰入金を控除した修正医業収益で賄うことができているかを示す指標である修正医業収支比率を算出し、それによって評価を試みた。
他会計からの繰入は、政策医療を担っている負担に対して地方公営企業法等に基づいて行われているが、医療機関としての実質的な経営状況を横並びで比較するとともに、民間の医療法人との比較も容易になるように控除したものである。
なお、支払利息等の医業外収支も考慮し、他会計繰入金を控除した実質収益対経常費用比率(地方公営企業年鑑で算出済)も併せてみるとともに、データの制約から目安に過ぎないが、他会計繰入金を控除した簡易な営業キャッシュフローも試算してみた。
その結果、医業収支段階で他会計からの繰入がなくても収入が費用を上回っている修正医業収支比率100%以上の病院は、平成15年度には、建設中を除く1,000病院のうち82に過ぎなかった。その時系列推移を見ると、11年度の88から101、104と増えていたが、診療報酬の本体がはじめて引き下げられた14年度には65に大きく減少している。今年度もそれを上回る診療報酬の引き下げになっているので、経営はより厳しさを増しているものと思われる。
因みに、上位50病院を見ると、効率性で優位にあると思われる規模の大きな病院ばかりではなく、病床数が2桁の病院も8あるなど、経営状況の良好な病院の姿は一様ではない。11年度から5か年、1桁ないし2桁順位を維持している病院が過半数である一方、順位が急激に上昇している病院もある。
さらに、企業会計の経常損益に当たる実質収益対経常費用比率を見ると、他会計から繰入しなくても黒字である100%以上の病院はわずか25、11年度21、12年度33、13年度42、14年度18で推移している。
また、他会計繰入金控除後の簡易な営業キャッシュフローを見ても、黒字の病院は全体の1割強の139にとどまっており、残りの多数の病院は自力ではキャッシュフローすら生み出せていない。
このように、自治体立病院を個別に見ても、大多数は相当厳しい経営状況にある。
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