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『自治体立病院の経営状況』@ |
日本政策投資銀行
政策企画部次長兼課長
吉田秀一 氏 |
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厚生労働省の医療施設動態調査によると、概数ではあるが、本年5月末現在、我が国の病院数はついに9千を切った。自治体立病院は、その中でも1千を超え、病院数で12%、病床数で15%を占めるなど大きな割合になっている。
自治体立病院は、離島などのへき地医療、高度医療や特殊医療といった採算性の低い政策医療を担っており、赤字経営がやむをえない事情もあるが、財政が厳しさを増す中、市町村合併も後押しするような形で、病院経営のあり方が自治体の大きな課題になりつつある。また、老朽化し、建て替えが差し迫っている施設も少なくない。
日本政策投資銀行では、自治体立病院のうち地方公営企業病院について、経営改善や経営のあり方を検討する際の手掛かりとして、総務省から公表されている“地方公営企業年鑑”のデータを加工し、個別病院の経営状況を時系列で把握するとともに、自治体の財政負担の度合を推し量るなど、その現状を整理した。3回にわたって、それを紹介したい。
まず、今回は、地方公営企業病院全体の状況について説明したい。
地方公営企業とは、社会公共の利益を目的として、自治体が直接経営・運営する公営企業・事業である。
古いデータではあるが、平成15年度末の地方公営企業の職員数は40万人で、地方公務員総数約3百万人の十数%を占めている。このうち、病院事業は、754自治体・一部事務組合等による、建設中の3病院を含め、1,003病院で、職員数は236千人と地方公営企業全体の6割弱、地方公務員総数に対しても8%弱とその位置づけは大きなものになっている。
病院事業全体の収支状況を見ると、診療行為によって得られた料金収入が3兆4千5百億円ある一方、他会計から収益的収入として5千5百億円の繰入(内部補填)があるにもかかわらず、純損益は1千億円の赤字になっている。
長期債務である企業債(地方債)の現在高も4兆円と料金収入の規模を上回っている。
以上から、自治体立病院の経営は、全体として非常に厳しいことが見て取れる。

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